「ご供養」にかかわる業界の人間として

最近の出来事で、少し悲しいことですが、皆様にお気を付けいただきたいことがありましたので、報告をさせていただきます。

先日、ぎおん浄廟の契約者の方が、ご納骨の件でご来館いただいた時のことです。契約者の方から「広島には○○宗のお寺さんは無いんですね。」というお問い合わせがありました。そういった事実はなく、ぎおん浄廟でもお世話になっている寺院がありますよと伝え、ご事情をよく聞いてみました。なぜそのような発言をされたのか、ご事情をお聞きして愕然としました。

ご親族が亡くなり、ある葬儀社さんにお願いした際に、葬儀社の担当者から、○○宗のお寺さんは広島には無いので、紹介するから○○宗のお寺さんにしなさいと言われたとのことでした。親族が亡くなった時で、冷静に考えることもできず、担当者に言われるまま、違う宗派でお葬儀をしたとのことでした。ですが、ご遺族は終わった後で何か違和感があり、ぎおん浄廟に聞いてみたとのことでした。

宗派が違えば、法名や戒名が違ってきます。葬儀の際に読むお経も違います。この時も戒名について問題になり、ご遺族からの要望で、ぎおん浄廟が懇意にしていただいている寺院へ相談させてもらいました。

その寺院に相談させていただいた際に、葬儀社の名前を聞かれました。葬儀社の名前を言うと、以前にもその寺院の檀家さんの親族にも同じようなことをしているとのことでした。

同じ業界のものとして、非常に恥ずかしい思いをしています。はっきりとは申し上げませんが、色々な意味でです。もし知識がないのであれば、知識をつけて下さい。会社であれば、知識がつくような教育をして下さい。知識があって、意図的にこのようなことを行っているのであれば、即刻やめてください。

「死」は必ず誰しも1回は経験するものです。人口から考えると、これからは大幅に増えてくることでしょう。しかし、本人にとって「死」は1回しかありません。それに携わる業界の人間として、もっと尊厳をもって、もっと慎重に、もっと丁寧に対応するべきです。

私達も、今まで、そしてこれから多くの死に直面していきます。ほとんどが我々の先輩方々です。日本には「長幼の序」という言葉があります。辞書を引けば、年長者と年少者との間にある秩序、または、子供は大人を敬い、大人は子供を慈しむというあり方とあります。

見知らぬ他人でも、今まで日本の為に、後輩の為に頑張ってきてもらった先輩達に、今まで有難うございましたという感謝の気持ちを持つべきではないでしょうか。まだまだ若輩者ですが、先輩方々に代わって頑張りますという謙虚な気持ちを持つべきではないでしょうか。この業界の何%の方がそういった気持ちでいらっしゃるでしょうか。

一人一人の考え方や気の持ち方で、前述したような事案は防げると思います。「感謝の気持ちをあらわす」ことと「謙虚であること」を心がけ、実践せよということも、先輩達から教えていただいたことです。今のぎおん浄廟があるのも皆様のおかげです。感謝です。


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